桜の約束





「……今日、帰りに…俺と、記憶のある桜が交わした約束を教えるよ。

桜、本当にごめん。」



約束して、それを守るのはあの桜で…君だけど、君じゃないんだ。



そっと、桜の手が俺の手を外す。



「うん、わかった」



桜は記憶がなくても優しくて、優しく微笑んだ。



自分勝手なことを言っていることは自覚しているのに、桜はただ…黙って待ってくれた。



「うし、今日はとりあえず!
楽しもうぜ!」



ゴシッ…



袖で涙を拭いて、前を向いた。



桜の花びらが、桜の髪に絡まっている。



「桜、花びらついてる」



「え、嘘…?」



恥ずかしそうに慌てて、花びらを外そうとする桜の手を止めて、小さなハート型の花びらを摘まんだ。