運動場に面した俺のクラスの窓からは、今体育の授業を受ける桜の姿が見える。



…俺の視線に気づいたのか、パッと桜が顔を上げた。



小さく、手を振ってる。



俺も、小さくてを振りかえした。



黒板を見て文字を書いてる先生には、俺の行動は見えないから注意もされない。



桜は、嬉しそうに笑って亜美の方へ走って行った。



まだ記憶は戻ってないけどな。

今のこれが、嬉しかったり…。



…と、やべ。


先生はカッカッと黒板にチョークをぶつけながら文字を綴っている。



ノートは半分も写せていない。



先生は左から右へと綴っては、右端まで行くと左に戻ってさっき書いた物を消して次の文字を綴る。



つまり。早く書かないと消されてしまう。



さっきの倍速で動いて、黒板を写した。