どうしよう……。 迷っていたら、放送が舞台裏に響く。 『次は及川すばるくんによります演奏です。 ベートーベン作曲のクラシックで、及川くんらしく情熱的な曲になることに期待されます』 今は中学生らしき女の子が観客にむかって終わりのお辞儀をしている。 次、すばるの番なの!? やばい。私が出る訳じゃないのに、ドキドキしてきた。 「小春」 一番緊張してるはずのすばるが冷静な口調で私の名前を呼ぶ。