お母さんは少し悲しそうに言った。 お母さんの悲しい目は、どことなく、すばるが初恋の人を想う目と似ている気がした。 だから……。 「……まだ子どもだよ。チビだし……。それに、まだちゃんとお母さんに教えてほしいこと、いっぱいあるもん」 すばるにしたと同じように、お母さんを元気づけたくなった。 ……すばるが私と初恋の人を見重ねてた気持ちがなんとなくわかる気がする。