「サクラの中途半端基準がよくわかんねぇ…。 そんだけできれば、もう完璧じゃん」 すばるはますます落ち込んでいく。 「完璧なんかじゃないよ!うちの家族、理想高いんだから、褒めてくれんの、すばるくらい」 ……そう。 『褒められる』なんて感覚を初めて知ったのはすばるに出会った日だった。 今まで、褒めてくれる人なんて、周りにいなかった。