王子様の召使い?!

はっ!そうだ、りっくん!



「夏希、ちょっとごめんっ!わたし行ってくる!」



「は?行くってどこに―――」



わたしは夏希の元を離れ、りっくんのところへ全速力で駆け出した。



「りっくんっっ」



はあ、はあ、と息をあげながら叫ぶ。



りっくんが目の前にいる。転校しちゃったからもう一生会えないかと思ってた。はやくお話したい!



当時のような恋心は無いものの、わたしは嬉しさで胸がいっぱいだった。



「久しぶりっ、鈴香だよ!覚えてる?!」



わたしは目をキラキラさせながらりっくんを見つめる。



「アハハ、覚えてるよ。鈴香のとこ忘れるわけないじゃん。おっきくなったなあ」



りっくんはわたしの頭をポンポンしながら言った。