王子様の召使い?!

「なんで夏希がここにいるのぉぉ?!」



スラリとした体格。乱れて見えない程度にくるくると巻かれた黒髪を束ねた、凛々しい顔つきの少女。



この人物は正しく―――夏希じゃないの!!えぇ〜!意味わかんないんだけど!夏希もここでバイトォ?!



わたしは夏希のほうをみてこれでもかと驚いた表情をした。すると、夏希は呆れたような表情でわたしを見下ろす。



「ちょ、声大きいって!周り見てご覧よ」



夏希にそう言われ会場を見渡してみると、案の定会場の人たちはざわざわしながらわたし達のほうを見ていた。



や、やばい!今みんなの前に立ってるんだった!…恥ずかしい。



わたしはどんどん赤くなる顔を見られないように伏せる。



「とりあえず、事情は後で説明するから、今は歓談会に集中して。偉い方たちもみえてるんだから」



え、それだけ?!そりゃあ夏希は冷静でいられるかもだけど、わたしはパニック状態なのっっ。