そんなわたしの気も知らず、希輝くんは相変わらず俺様っぷりを発揮していた。



「おい、はやく席につけよ。あんたほんととろいな。あとその間抜けズラやめろっていっただろ」



…はいはい、すみませんね!もとからこういう顔なんですよ~だ。



「悪かったわね。間抜けズラでっ」



わたしはほっぺを膨らませながら希輝くんと同じテーブルに席に着く。



「やっほー!希輝っ!隣座っていい?」



ほえっ?!この人だれ?!



突然現れたのは、茶色い髪をした少年だった。無造作にクシャクシャさせてるようにも、パーマをかけてきれいにセットしているようにもみえる髪型。



「耳元でデカイ声出すなよ。鬱陶しい」



「アハハ。鬱陶しいくらいにうるさいのが俺の取り柄なんだよっ!」



こ、この人…!希輝くんのいつものイヤな言い方もスラリと返しちゃうなんて!す、すごいぞ。



―――ってあれ…?