王子様の召使い?!

「それとさ、そっちが倒れたから助けてやったのに、お礼の一言もないって人としてどうなの?俺もぶつかられたとき、結構痛かったんだけどな~」



やけに""助けてあげた""の部分を強調し、口角を上げて悪魔のような笑顔で言った。



げ、幻聴じゃない…



そして幻覚でもない…



うあああなんだこの人!!あんな天使の笑顔をした人がこんなキャラだったなんて!!ありえない!!



「なに頭抱えてんの。ほら、いくよ」



「ひぃっ」



あっ…



思わず出てしまったわたしの声に、少年は少し不機嫌そうな顔をした。



「なに、ひぃって。はやく行かないと終わっちゃうんですけど、入学式」



そう言うと、わたしを担いでいつにも関わらず、猛スピードで走り出した。