王子様の召使い?!

わたしは全力で明るく話しかる。でもなんだか希輝くんはまだ不機嫌そうだ。



「親父もおふくろもここ(日本)には滅多に帰ってこないんだ。俺もここ数年は会ってない」



えっ…そうだったんだ。だから―――



「まあ、だからと言って別にどうってことないけどな。俺らにとってはそれが普通だから」



……ふ~ん。なんだか寂しい家庭だなあ。もしかして、希輝くんは小さい頃からお父さんとお母さんにあんまり会えてないのかな?だからこんなふうに性格が屈折しちゃったのかな?(失礼)



「大丈夫だよ!わたしは希輝くんの使用人なんだから、なんでもするよ!だから、そんなに強がらないで寂しいなら甘ていいんだよ!」



わたしは希輝くんに精一杯の笑顔を向ける。だって、わたしが希輝くんだったらすごく寂しいもん。だれかに甘えたくなっちゃうよ。きっと希輝くんも心の中ではそう思ってるはずだ。



「…うるさい。あんたは俺の命令だけ聞いてればいいんだよ」



へっ?!うるさい?!



希輝くんはそういうと、わたしのおデコにデコピンをした。