王子様の召使い?!

わたしの返事も待たず、桐島くんが部屋の中へ入ってきた。



わたしはもういきなり部屋に入ってくることに怒るのは諦めたが、今はそんなことより―――



「ちょ、ちょっと!なんで桐島くんがそのドアから出てくるんですか?!てか、いつからそんなところにドアが?!」



わたしの部屋の中にある謎のドア。



「は?何言ってんだよ。このドアは最初からあるし。ドアの向こうは俺の部屋だからこっから出てくるのは不自然なことじゃないだろ」



え、ええええ~~!!



わたしは驚きで目をパチクリさせる。



いや、あの、そのドア今発見したんですけど!わたしってこんな鈍かったっけ?!



て、てか、それってつまり、わたしの部屋と桐島くんの部屋を分けてるのは、この壁1枚だけってこと?!



しかもしかも、そのドア、よく考えたらそこからお互いの部屋を自由に行き来できるってことだよね?!それってかなりやばくない?!



「どうしてこんなに部屋が近いんですか?!しかもそのドア、すぐにお互いの部屋に行けるんじゃ…」



「俺が来いって言ったときにすぐに来れるからに決まってるだろ。ご主人様専用の使用人は代々ご主人様の隣の部屋に住むって決まってんだよ」