王子様の召使い？！

どれくらいベンツに乗っていただろうか。とにかく人生初ベンツの貴重なひととき、威圧的なオーラを放つ桐島くんのせいでビクビクしながら過ごしたことしか覚えていません。



「ご到着いたしました」



そう声をかけられ俯いていた顔を上げると、目の前にはとても広くて立派なお屋敷が建っていた。



ひえ～～！すっごい！おっきい！さすが桐島財閥、ザ・お金持ちって感じするよ。



わたしは車から降りて目の前のご立派なお屋敷を眺めていると、桐島くんがいきなり頭をバシッと叩いてきた。



「いたっ！何するんですか！」



「何するんですか、じゃないだろ。ご主人様が車から降りようとしてるのに、なにのんきに突っ立てるんだよ」



へっ！？まさかドラマとかでよく見る車のドアを開けるあれをやれと？！



「あの、もしかしてもう召使いって始まって…」



「当り前だろ」



ううぅ、わかりましたよ。今度からはやりますよ！気の聞かない召使いですみませんねっ！