曲がり角に差し掛かったとき、何かにぶつかった。



「きゃっ…」



ぶつかった衝撃でよろけて尻もちをつく。



う、うぅ…こんな時に転ぶなんて。最悪だぁぁ。



泣き出しそうになっていたとき、頭の上から柔らかくてきれいな声が聞こえてきた。



「うわ、大丈夫?俺がよそ見してたからぶつかって…、ごめんね」



私は思わずはっと顔を上げた。



そこには、今までに見た事の無いような、きれいな顔立ちの少年が立っていた。



あ、わたしとおんなじ高校の制服着てる。もしかして同じ学年の人かなあ…?



少年は心配そうにこちらを見つめている。