王子様の召使い?!

桐島くんはあの朝の出来事を何事もなかったかのように(そもそもわたしのことなんて覚えてないのだろうか)ニコッっとキラキラな笑顔を向けてきた。



う、うぅ…その笑顔、無駄に眩しいです。普通の女の子なら絶対好きになっちゃう笑顔だ。



ただ、あの悪魔のような笑顔もするんだよ…?みんな気づいてないのかな…??



わたしはど、どうも…、という感じで軽く会釈をしたのだが、なぜか桐島くんはこちらへ近づいてきた。



な、なななんですか?!



びっくりしているわたしを見るなりフッっと笑い、こっちに近づく足を止めない。



―――ゾクッ。



桐島くんのこの悪魔のような笑みを見た瞬間、背筋に寒気が走った。



こ、この感じ。まさかさっきの視線もあなたの仕業だったのですか。



そんなことを思っていると、あっという間に桐島くんとわたしとの距離は人の肩幅ぐらいになっていた。


桐島くんの周りにいた女子たちが一斉にわたしを見て、なにあれ?、ってかあの子だれ?と、ひそひそ話しているのが聞こえる。



~~~っお願いだからこれ以上近づかないでっ!!女の子たちが見てるよ~~っ!!



しかし、そんなことを少しも気にしていないかのように、桐島くんはニコッと天使の笑顔をしながら言った。