王子様の召使い?!

うんうんとひとりで納得していると、スッと前から希輝くんの手が伸びてきて、わたしの頬に落ちた涙を拭った。



「…っ。希輝くん…?」



わたしを見つめる希輝くんの目からは、少しだけ哀しみを感じる。



「ほんとに、ごめんな」



そう言うと、わたしの頬を優しくスリスリと撫でる。



わたしは希輝くんにこんなにも優しく接されるのは初めてで、戸惑った。



そして、じわじわと自分の頬が赤く紅潮するのがわかる。



「ど、どうしたの…?急に優しくなって…別人みたいじゃんっ…」



「……」



希輝くんは無言でじっとわたしを見下ろしている。



「いだっ!」



わたしも希輝くんをじっと見つめていると、いきなりデコピンをされた。