王子様の召使い?!

今までの甘いキスとは全然違う、力任せのキス。何度も角度を変えて、強引に唇を押し付ける。



怖い。だめ。身体が震える。



頬に涙が落ちる。震える足は立っているのがやっとだ。



「ひかっ...るっ...く...」



無理矢理押し付けられる唇。両手はガッシリと掴まれ抵抗すらできない。



「ぷはぁっ...はぁ...はぁ」



唇が離れると、わたしは必死で酸素を取り込む。



「苦しそうだな」



希輝くんは冷たい表情でわたしを見下ろしている。無表情でいて、冷酷な顔つき。



「だれのせいだと思ってっ...!」



「俺だろ?俺のキスで気がおかしくなるんだろ?だったら、俺にだけそういう思いをさせらていればいい」



「なっ…!」