王子様の召使い?!

「へっ?!ちょ、ちょっとやめてよ夏希~~っ!!もうっ、ここ教室だよ!!」



ぐしゃぐしゃになった髪の毛を整えながら、夏希を思いっきり睨みつけた。



「ぷっ、そんな顔しても全然こわくないよ~~っだ。それに、クラスメイト見てみなよ?みんなあそこに集合してるもん」



そういって夏希は黒板の方に顎を向けた。



な、なんだあれ?!すっごい女子の群がり。



だれかを囲んでるみたいだけれど、人が多すぎてわたしの席からは見えない。



あそこまでくると、すごいというかむしろ恐ろしい、、



「大変だよね~、桐島も。あんなに女子に囲まれて絶対嫌がってるよ。それでも笑顔でいなくちゃいけないんだからさぁ」



あたしだったら絶対耐えられないね、と呟く夏希の席からはその桐島くんという人の顔が見えるらしい。ちなみに夏希の席はわたしの斜め前だ。



「桐島…聞いたことないけど、そんなに有名な人なの…?」



恐る恐る聞いてみると、



「はああ?!あんたマジっ?!」



と、また鼓膜が張り裂けそうな声を出す夏希。