夏希はやっ!洗うのはやっ!



「じゃ、あたしの仕事は終わったから、今日は帰るよ。また明後日学校でね」



えぇ、手伝ってくれないの?!わたしが終わるまで待ってくれないの?!



「あ、それと気をつけなよ。りっくん」



「へ…?」



「あいつ、昔から鈴香にベッタリだったけど、高校生になって更にパワーアップしてるから」



ん?夏希、何言ってるんだ?



「そんじゃあね〜」



あ、ちょっと!まて!逃げるな!薄情ものぉぉ〜〜〜!!



わたしは涙目になりながらまたお皿を吹き始めた。



ていうか、りっくんに気をつけなよって、気をつけることなんて全然ないじゃん。あんなに優しくてかわいい男の子、他にいないよっ。



それに、昔は恋愛的に好きだったけど、今は友だちとしてだし!りっくんもきっとそうだ。



夏希の言ってることなんて信用できないもん〜。お皿拭くの手伝ってくれないし。