「なにいってんの?!そんなわけないじゃん!」



どうしたらそういう発想が思いつくのだろうか。希輝くんがわたしのこと好きだなんてありえないよ。



「そうか〜?それじゃあ、鈴香は好き?桐島のこと」



「そ、それもないっ。絶対ないっ!!」



あんな俺様野郎なんてこれっぽっちも好きなんか―――



「じゃあさ〜、なんで顔赤いの?」



「なっ…!」



……それは自分でも分かっていた。顔がどんどん熱くなるもん。希輝くんのことを考えると、なぜだか赤くなってしまう。好きじゃない…のに。



「まあ、そのうち気づくでしょ」



夏希はそういうと、洗い終えたお皿を一気にわたしの元へ置いた。