王子様の召使い?!

まさか、この人が…?



「気をつけてよね」



冷たい声でそう呟くと、スタスタと歩いて行ってしまった。



な、なんなんだ…?ちょっと怖い。というか、すっごく怖い。わたし、恨みでもかうようなことしたかな…?



うーん、と考え込んでいると、顔の前にスッと手が差し伸べられた。



「大丈夫?立てる?」



顔を上げると、そこにはりっくんが心配そうにしゃがみ込んでいた。



「りっくんっ。ありがとう。大丈夫だよ」



わたしは差し出してくれたりっくんの手を握って立ち上がる。が、足をくじいてグラッとからだが前に倒れそうになってしまった。



「わっ」



思わずりっくんにしがみつく。りっくんもわたしを受け止めようとしていたため、抱きつくようなカタチになってしまった。



きゃ〜〜!!近い近いっ!!