王子様の召使い？！

そんなことを考えながら厨房に着くと、そこには十数人の使用人さんたちがいた。



―――ゾクッ。



あ、まただ…



ここでも冷たい視線を感じた。わたしは使用人さんたちを見渡すけれど、そんなふうに怖い顔で睨んでいる人は見当たらない。



気のせいなのかな…？それとも気にしすぎ？はっ。もしかしてわたしって自意識過剰？！うぅ、やだな。もう考えるのはよそう。



「よし、集まったわね。じゃあとりあえず食べ終わったお皿を回収するグループと、回収したお皿を洗うグループに分かれて。テキパキ頼むわよっ」



みんなに指示をしたのは、30代前半と思われるショートカットの女性だった。



「「はいっ」」と、みんなは威勢のいい返事をしてそれぞれの場所に分かれる。



「あっ、宮本さんに立花さんね。わたし、チームのリーダーをやってる藤川明美(ﾌｼﾞｶﾜｱｹﾐ)よ。明美って呼んで」



「Fチーム…ですか？」



夏希が不思議そうに尋ねる。そう、それ、わたしも聞きたかったの！ナイス夏希。