やっと夜勤が終わり…帰り道のトラックの中…二人は何となく沈黙でいた。

ピリリ~♪
ん?この着信は…私のか…。
私が私物バッグに手を伸ばすと、山科…いや、秋羅も同時に手を伸ばしていた。

「え?」「は?」
「この着信って…」
「お前…まだその着信なのか!!」
心なしか…秋羅の口角がヒクッと上がっていた。
私がうなずくと…今度は、えくぼができるほどにっこり笑った。
そう…希と同じ方向に。

そして二人で携帯をとって画面を確認すると…二人とも希のいる施設から連絡が入っていた。

「「はい。……………え!?」」

…電話の内容は…希が高熱で倒れたという連絡だった。

「どーしよ…希がぁ…。」
体の力が抜けた私を…秋羅が支えて、私を秋羅の方に向かせた。
「お前が動転してどうする!!母ちゃんだろ!!しっかりしろ!!」
急に大声で叫ばれてビックリしたけど、秋羅の目があまりにも真っ直ぐで…気が引き締まった。

「…ありがとう。」
「…どっか捕まってろ…。俺の運転は荒いんだ。」
…うん。知ってる…。

私が無言でうなずくと…秋羅は私の頭をぐしゃぐしゃと撫でると…ハンドルに手をかけた。

ブォォオオオ~!!!!

希…お願い…無事でいて!!!!!!