動物たちの平和な鳴き声。
　大気汚染とは無縁な透き通った青い空。
　無様に倒れる私...........
　こんなシチュエーションでの第一声は決まっている。
　「ここどこ？.............」
　おそらく万国共通だろう台詞を口すると、今の状況をまとめ始めた。
　きっとDK三人衆が私を穴に落とした後、目を覚まさない私にビックリして慌ててどこか別の場所に運んだんだ。少しケガをさせるつもりが、まさか殺してしまうなんて.............まあ、実際は気絶していただけで生きていたんだけど。
　大勢で少人数に食ってかかるような奴らは大抵小心者だ。ちょっとした事でも冷静に物事を捉えられなくなり、悪い方向へと考えてしまう。そうどっかの刑事物ドラマの主人公がいっていた。死んだと勘違いしてもおかしくはない。
　それにしても、いったいどこだよここは？
　少なくとも、家の近所じゃない。周りにはアルプスのような大草原。世界史の教科書で見たパンパに似ているような気もする。場所別に草原の区別なんて出来ないけど。でももしかすると、私の知らない近所にこんな隠れたネイチャースポットがあるのかも知れな.....
　「モオ～～～～～」
　「ナゼ牛..........」
　.............前言撤回。絶対ここはどこか遠い場所だ。いくらここがネイチャー施設だろうが少し進めばすぐコンクリート街だ。そんな動物に悪そうな環境下に牛がいるわけがない！他に馬やら羊やらがいるのなら尚更だ！さっきからそれらしき鳴き声が聞こえるしね。全く、いい気なもんだよな。動物にグチってもしょうがないけど。（今こそ愚痴外来が必要デス..........）
　取りあえず移動しよう。ここが世界の果てだろうが、どこかのレジャー施設のアトラクションだろうが、あって欲しくないが天国だろうが何かしら事件やイベントに巻き込まれるはずだ。
　それがごく平凡な日常から外れた者の使命だからね！