支えを失い、重力と共に落ちていく。どんどん加速し続け、風は痛いほど背中に打ちつける。目の前には青い空と白い雲................ん?青い空と白い雲!?
 上を見れば、空・空・空!下を見れば、果てしなく遠くに見える緑と茶色の地面!人生、いや世界初!パラシュート無しのスカイダイビングする女子高生!?ナゼ?どうして!?
 さっき地表から2メートルほど掘られた穴に突き落とされたはず。なのにどうして、いつの間に私は上空5000メートルにテレポートして落下!?
 どうにか速度を緩めようと、できる限り制服を広げてみる。全く意味を成さなかったが。
 そんな無駄なあがきを繰り返していると、カードゲームのアニメに出てくるシンクロ○○のリングのような物が、落ちる先へと一直線にいくつも出現した。
 成る程....これは夢だ。工事現場の穴に落ちながら気絶なんてしたから、こんな夢を見てるんだ。でもどうせなら、制御不能のダイビングじゃなくて自由に空を飛ぶ夢が良かった。
 ”地面じゃな~くて、空に向か~って、飛んで~ゆきた~い~よ~~”
 夢の内容変わらないかなと心の中で熱唱。
 1つ、また1つと通り過ぎていく薄緑のリングを目で追っていると、あたりの景色が白くなっていった。白い絵の具でミスしたところを塗りつぶすように..........