冥に進めば王様業!?

 助けを求めようとイジダンに目を向けようとすると、いない!さっきまで放心状態だったイジダンがどこにも居ないではないか!ちょっと待ったおじさんも姿を消していた。
 「おいおい!関係者以外立ち入り禁止って書いてあったんデスケド!」
 「だからだろ。」
 「女のクセに正義の味方ぶって出てきたコト、じっくり反省するんだな。」
 大声を出して周りに自分の危機を知らせるが、それも虚しく誰も来てくれない。
 穴の淵に足がかかり、パラパラと土が崩れた。気分は背中に剣を突きつけられ、崖っぷちに立たされるヒロイン。
 抵抗しようと力を入れてみるが、男2人に敵う訳もなく力を抜いた。
 大丈夫さ。下は地面。打撲は免れないが、骨折までの大怪我にはならない。もしかしたら、普段真面目に取り組んできた、合気道の受け身が上手くでき無傷ですむかもしれない。そうしたら奴らをバカにしてやろう。
 そう思っていたが先手を打たれた。
 男A「じゃぁな。バ~~カ!」
 突き落とされながらもムカついた私は身体をひねり、拾っていた本を投げつけてやった。