「.............................................」
 なにかきこえる......
 「お........て.............く......さい......」
 母さん?ごめん、もう少し寝かせてくれ..........不良遭遇、空中ダイブ、ハイキング、紛争、天使エネミーとの口合戦と、立て続けに日常ではアリエナ~イと叫びたくなるようなハプニングが襲いかかってきたのデス。私の精神は擦り切れ、常識に凝り固まった頭はパンク寸前。
 だから少しだけ待って.............あと10分、いや5分でこの悪夢とけりをつけるから......

"なにわけ分からないこといってんの!遅刻しても知らないから、自分で起きなさい陽子!”

 「ああ冥覇陛下!どうかこの贄をお受け取りください!願わくば、この方をお目覚めさせてくださいますよう!」
 「うわぁ~~~~~っ!!」
 白い絵の具がぶちまけられたままの頭をすぐさま洗い流し飛び起きた。母さんの一括が響いたわけでも、冥覇王とかいう神サマ的な存在(新手の宗教か?)に懇願するような怪しげな呪文?が効力を発揮したわけでもない。(実際に呪文を受けたことがないから自信無し)
 凶器が光る。
 恐ろしさよりも先に美しいと感じてしまう程のナイフ。
 柄は金ピカ、植物のツタや花が浮き彫りされルビーに似た赤い石が散りばめられている。
 刀身は眩い光を放つ柄とは逆に何でも吸い込みそうだ。
 そんないかにも高そうなナイフを心臓に向けられれば、寝ぼけ眼でチラ見しただけでも一気に覚醒する。それが私の.............ではなく、ナイフを持っている人自信なら尚更だ!
 口合戦のお次は生死にかかわる状況立会人かよ!