そんなことを考え、少しにやけている顔を隠そうとうつむいていると…

「あさみー!」

入学式が終わってから、先生に呼ばれていた柏木君。

後ろから、大声で、わたしのなまえを呼び、振り返ると
ものすごい勢いで走ってくるのが見えた。


なんとなく反射的に、私も走って逃げてみると


「お、おい!逃げんなよ。」と言って、一層早くなった。


わたしは隠れるように屋上への扉の隅に隠れた。

階段から足音が聞こえる。

逃げ道が無いから、バレるだろうと思った。