どこからか鳥らしき鳴き声が聞こえてくる。
どうして『らしき』かっていうと、あまり聞いたことのない鳴き声だったからだ。
「ピィーッピィーックルピィィ」
前に進むと同時にその声は近づいてきた。
どこだどこだ〜。この鳴き声の鳥は....
うっそうと生い茂る熱帯雲霧林の中、目を凝らしてじーっと見つめる。
「あっ!?」
ガサッ
ドンっ
大きな声と同時に一歩踏み出した瞬間、ぬかるみに滑ってこけてしまった。ははははー....
バサバサバサッ「ピィーピィィ」
「あぁ〜・・・」
飛び去って行く後ろ姿。それは間違いなく、世界一美しいと言われる幻の鳥。
「ケツァールだ」

