ー翌朝。
1人思い足取りで電車に乗る。
「はぁ。」今日もため息しかでてこない。
一晩たってもあの綺麗な横顔が忘れられなかった。
もう1度会いたい、と願ってしまった。
「…ダメだな私。」
ボソッと呟いてみると、隣に座っている人に笑われた気がした。
パッと振り向くと、そこにはなんと上本くんが居た。
「何がダメなの?里花ちゃん。」
微笑む上本くん。
いきなり話しかけられた喜びと、いきなり名前で呼ばれた嬉しさがごっちゃになり、あたふたする私。
「あ、う、…そそそれより!上本くんもこの電車なんだね?」
緊張のあまりかみまくった私。
恥ずかしい…。
「おう!…つーか夕日でいーよ、名前。
かたくるしいでしょ。」
「え、でも…。」
だんだん顔が赤くなっていくのが自分でもわかった。
「大丈夫!俺も里香ちゃん。でいくから!」
二ヒヒとイタズラっぽく笑う彼は、まさに天使だ。
「…じゃあ、夕日…くん。」
「それでよし!」
初めて2人で乗った電車は、なんだか甘酸っぱかった。
