オレンジジュース




ーバフンッ。

自分の部屋へ入るなり、ベッドに倒れこむ。


「はぁ。」


ため息しか出てこない。


しばらくボーッとしていると、一つの案が浮かんできた。




「私、あのイケメン君じゃない人に恋をすればいいんだ!」


声に出して言ってみると、より単純さを増す。


「こんな事が思いつかなかったなんて」


クスクス1人で笑う私は、どこかで強がっている気がする。



ー私は、上本くんに本気で恋をしてしまったんだ。


だけどこれは隠さなければならない事。

亜樹に幸せになって欲しいから…。