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葵の目には涙が浮かんでいた


「なんで葵が悪いの?」


私は恐る恐る聞いた


「事故を目撃した人から聞いたんだけど 龍は電話をしながら横断歩道を渡ってたんだって そしたらいきなり立ち止まって 信号は赤に変わって…」


葵は涙を浮かべながら必死に話してくれた


「私が悪いの! 私があの日日自分の怒りを押し付けて… しかも一緒に歩いてた女 龍のお姉さんだったなんて」


言葉が出なかった


こんなにも明るい葵がたった1人で苦しい過去を背負ってるんだね…


私は何で気付かなかったんだろう…


「それ以来私は自分の気持ちを押し付けなくなった どれだけ腹が立つ事があっても抑えてた それにまだ忘れられないの… 龍のことが…」