永遠のヒーロー

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「もしもし 葵? あとちょっとで行くから」


中3の冬


私達は受験会場で待ち合わせしていた


龍とは一緒の高校に行くつもりだった


「あのさ… 昨日 女と歩いてるとこ見たんだけど あれ何?」


たまたま塾の帰りに龍と女が歩いてるところを見てしまった


このときはこの怒りを抑えることは出来なかった


「そんなことしてないって!」


「嘘よ! もう知らない!」


私は電話を切った


もうどうでもいい


私は龍を待たずに受験会場に入った