涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜





「え?これ…」

「食べてないかもって思っておにぎり。
中身は鮭。
…食べれる?」


おにぎりをじーっと見て、その次にあたしをじーっと見て、


「ありがとな。」


と、笑った。


「荷物とってくるね。」


おにぎりを頬張る秋山くんにそう一言声をかけてから、自室に戻って、携帯とお財布のはいった鞄を持つ。

壁にかけてあったマフラーとコートを身につけて、手袋をした。

階段を降りて、玄関に向かうと、食べ終わったらしい秋山くんが壁によりかかっていた。