涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜




…でも、秋山くんはご飯食べて来るのかな…?

秋山くんの家からあたしの家まで自転車で約20分。

つまり、既に家を出ているだろう。

てことは…


「食べて、ない、よね…」


ちらりと、炊飯器を覗くとご飯が少し残っていて、おにぎり一個分くらいならある量だった。

自分のご飯の焼き鮭をほぐして、おにぎりをつくる。

もし、秋山くんが朝ご飯を食べてきたのなら、それはそれでまあいいし。

海苔を巻いて、アルミホイルでつつむ。

そして、自分の分の朝ごはんを食べて、歯を磨くと、ナイスタイミングで鳴るチャイム。

パタパタと音を立てながら、インターホンのカメラから、秋山くんを確認して、


「今行きます。」


玄関に向かった。