涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜




秋山くんは、あたしの弱さに気づいて、さりげなく支えてくれる。

そして、それをあたしは、理解してるけど、あえていわない。

…本物の恋人だったら、そんな関係羨ましいんだろうけど。


「…朝ごはん、食べよ…」


あたしと秋山くんは恋人同士だけど、普通とは違う。

小さくため息をついて、階段を降りる。

リビングの机の上には、サランラップかかった朝ごはん。

きっとお母さんが作ってから、仕事に行ってくれたんだと思う。

焼き鮭にお味噌汁。

ほうれん草のお浸しに卵焼き、そしてごはん。

完璧な和食。

本当だったら、お雑煮を食べるところなんだろうけど、お餅は苦手だ。

それをお母さんは知ってるから和食。

今日のお味噌汁は、アサリで、何と無く嬉しくなった。

って、こんなゆっくりとご飯食べてる場合じゃない。