涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜






「も…大丈夫、です。」

「そう?」


身体をそっと押して離れると、覗き込むようにあたしの顔をみて、


「大丈夫、だね。」


至近距離で微笑む。

安心、するんだ。

秋山君の隣は。

儚いわけも、こんな関係は無意味だってことも、全部全部知ってるし、理解してる。

だけど。

だからこそ。


「…怜、は?」


忘れようって。

諦めようって。

お互いの手を取り合ったけど。


「…命に別状はない、って。」

「そっ…か。」


結局えぐりあってる。

あたしたちに出会った日に出来た一線は、越えてしまえば戻れなくて。