2ヶ月ぶりに見た怜の姿は、血の赤で染まっていた、なんて冗談みたいなふざけた話で。
…夢であればいいと思った。
夢、でも嫌だけど、それでも現実よりは断然いいから。
目をつぶれば、きっと眠れて、そして、昨日までと何ら変化のない明日が来るんじゃないかって。
今日は何もなかったんだって。
…そんな期待は、あたしの理想なだけであって、現実は違う。
「っ…」
泣きたくは、ない。
あたしは、怜を救える医者ではないし、もっというのであれば、2ヶ月間個人的な理由で避けていた幼なじみ。
…あたしは、ただの女子高生。
女子高生じゃないとしても…無力な人間、だ。

