涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜





ゆっくりと、さっきあったことを思い出して行くと、ここにいる理由を何と無く思い出した。

だけど、ここにいると逆に恐怖を煽られる。

来たことを、既に後悔している。

手術中を示すランプのついた扉の前。

あたしは祈ることしか出来ず、ただ立ち尽くしていた。

鞠さんの泣き声だけが響く静かな廊下に、二つの足音がなった。


「怜っ!!」


そこに現れたのは、怜のお父さんとお母さんで。