涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜





「ごめん。」


予想通りすぎて、笑みがこぼれる。

意味分からない、と言う顔で、こちらを見る秋山君に、


「入って。」


と、口に出す。


「…あー…ごめん。」


踏み入れようと、足を上げたのに、ハッとしたように足を下げた。


「手、出しちゃうかもしれない。」


力なく微笑む秋山君の瞳は、悲しげに揺れていて…。

なんとなく泣きそうだなって感じた。