あのあと、声を掛ける勇気のなかったあたしは顔を上げずに学校まで来た。


「なつー!!」

「あ、美羽【みう】」


美羽はあたしが怜にずっと片思いしていることを唯一知っている親友で


「おはよー…ってなんかあった!?」

「…みうぅうう…」


あたしの全てをさらけ出せて、あたしよりもあたしのことを分かっているであろう大切な人。


「あー…あいつか。」

「ん。」


何も言わずとも分かるあたしの変化。

あぁ今日は…


「屋上…行っとく?」

「…ん。」


授業なんて受けられないよ。