涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜





「あっ、きや…っま、く、んっ…っふぁ…」


やだ、と突き放せない。

体に力が入らない。

拒めない。

頭の中にあるのは、鞠さんと怜のキス現場。

消えてくれない二人の姿が、あたしの脳裏に浮かぶ。

ポロポロと零れ出す涙が、目の上に置かれてる秋山君の手を濡らしていく。

そして、あたしの頬にポツリと落ちて来たのはきっと…


秋山君の涙、だ。