大丈夫だよ、と答える隙を与えず、扉の横に置いておいたカバンを秋山君は持った。 お互いがお互いの相談相手。 その線を踏み越えたあたしたち。 無意味な優しさだと、そう思う癖に 「…ごめん。 ありがとう。」 断れない自分がいて。 「どういたしまして。」 秋山君の優しさの裏に、そっと本音を隠したくなる自分がいた。