何かを捨てて得る愛は、愛じゃないという人もいるかもしれない。 だけど、全員が全員、幸せになれる恋ばかりじゃない。 「ごめんね、こんなやつで。」 「っ、ばーか。 …俺だって、夏希の手だけは、離したくねえよ。やっと、やっと…掴めたんだからさ」 自分に対する愛を。 恋を。好意を。 踏み台にしてでも、手に入れたくて、恋い焦がれていたその想いこそが… それが… 一種の"愛"、とかいうやつなんじゃないだろうか。