鞠とは本当に何もなくて。 ただ、今朝、鞠が俺の家に来て、 ーー「…好きだよ、智尋。」 ーー「私ね、」 報告を、 ーー「好きな人が、できたの」 してくれただけ、で。 それを、言えばいいだけの話なのに。 どうして俺たちは。 どうして俺は。 「っ…」