涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜





冷静に考えてみれば、両想いだと勘違いしてしまいそうになるようなことは、たくさんあった。

幼なじみというくくりに縛られて、勘違いしないようにしていた、というのもあるかもしれないけれど。




「…。」




あたしが携帯を見なくなったあの日から、一番そばで支えてくれていたのは誰でもなく智尋だったっけ。


"秋山智尋"


なんの飾り気もないそのLINEに表示される名前。

その名前を見て、心が安心するようになったのはいつだろうか。

気付けば、好きになってた。

その気持ちに気付きたくなくて、目を逸らしていたけれど。