「そういうのどうでもいいんで。」
この人たちに、あたしたちのことを話す義理はない。
分かってもらえないと思う。
一途な恋をしていたあたしたち。
抗うために付き合ったり、本当に好きになっちゃったり…
理解して欲しいとは思わない。
あたしたちが、理解して欲しい人に、理解してもらえればいい。
「冷たいなー、夏希ちゃん。」
「ノリ悪いよー?」
肩にまわされた腕に嫌悪感を抱いて、力の限りで振りほどく。
智尋は、お話の中心にいて、こんなことになってるなんて、きっと気付いていない。
「…もう結構です。」
あとでLINEかメールかすればいいか…
直接話すことはきっと難しいし。