「え、ちょ…夏希さん?」 「んー?」 「何しました?今」 「なんだろねー?」 なんとなく癪に触った。 余裕綽々なとことか、あたしばっか恥ずかしい気がしたこととか。 「智尋にドキドキさせたいだけかもー」 ねえ、どうしたらドキドキしてくれる? 「は!?」 「あー、耳にキス、とか?」 「う、わ…っ、」 耳元で話すな、と吐息混じりにそう言われると余計にしてしまいたくなる。