涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜




歩くペースに合わせて、上下に動くからだ。

太ももに添える手のせいか、直接触られたわけでもないのにその部分が燃えるように熱い。



「…なあ。」

「…ん?」

「食ってんの?ちゃんと。」



本当に軽く、ギクリと体が揺れた。



「寝てんの?ちゃんと。」



寝れてるのか、と聞かれれば、今日以外は寝ていたし。

食べているのか、と聞かれれば、今日以外はきちんと食べた。


だから、今日だけ、なのだ。



「食べてる、よ。
寝てるし、大丈夫」



ただちょっと今日だけ違かっただけ。

本当にそれだけ、だから。