「…そんなペースで歩いてたら、日が暮れるっつーの。」 「そうは言われてもね…」 ーーグイッ。 唐突に引かれた腕。 それに逆らうことなんて出来ず、勢い良く智尋の背中にぶつかる。 「ちょ…何すんの!!」 痛い!!と込み上がる恥ずかしさを隠すように批判すると、 「乗る。帰る。」 単語だけ、そう発して、あたしの腕を智尋の首に回させた。