涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜




「…そんなペースで歩いてたら、日が暮れるっつーの。」

「そうは言われてもね…」



ーーグイッ。


唐突に引かれた腕。

それに逆らうことなんて出来ず、勢い良く智尋の背中にぶつかる。



「ちょ…何すんの!!」



痛い!!と込み上がる恥ずかしさを隠すように批判すると、



「乗る。帰る。」



単語だけ、そう発して、あたしの腕を智尋の首に回させた。