ゆっくり歩みを進めながら、足の痛みに耐える。 道路の一角。 ちょっとした路地裏に、視線をうつすと 「あ、」 智尋が壁に寄りかかって、不機嫌そうにしていた。 「何してんの?」 「…。」 「帰ったんじゃないの?」 「…うるさい。」 …智尋のことだ。 置いて帰っていたことを後悔したか。 心配になって戻ってきてくれたか。 そのどちらかだろう。